「気づくと肩が前に丸まっている」「胸を張っても、すぐ元に戻る」。デスクワークの方から特に多い相談です。実は、巻き肩は意識だけでは変わりにくく、鍵を握っているのは**肩甲骨**の位置と動きです。この記事では、原因と、家でもできる考え方を整理します。
巻き肩とは、そもそもどういう状態か
巻き肩は、肩が本来の位置より前に出て、内側に巻き込まれた状態を指します。多くの場合、腕や胸そのものの問題ではなく、肩甲骨が外側へ滑って前傾していることが背景にあります。
つまり、胸を張って肩を後ろに引いても、肩甲骨そのものの位置と動きが変わらなければ、力を抜いた瞬間に元へ戻ります。意識で保つ姿勢は長続きしないのはこのためです。

なぜデスクワークで巻き肩になりやすいのか
長時間キーボードに手を伸ばす姿勢は、肩甲骨を外へ広げたまま固定します。この状態が続くと、胸の前側の筋肉は縮んだまま硬くなり、背中側の筋肉は伸ばされて働きにくくなります。
縮んで硬い前側と伸びて弱い背中側。この組み合わせが、力を抜いたときの「初期位置」を前側に引き寄せてしまいます。
胸を張るだけでは戻らない理由
「姿勢を正す=胸を張る」と思われがちですが、胸を張る動きは腰を反らせて代償されやすく、肩甲骨は動いていないことが多いです。見た目は整っても、肩まわりの問題は残ったままになります。
何年も『背筋を伸ばして』と言われ続けたのに変わりませんでした。肩甲骨を動かす練習をして初めて、力を抜いても楽な位置が変わってきたんです。
家でもできる、肩甲骨から見直す3ステップ
ポイントは、肩そのものではなく肩甲骨から動かすことです。次の3ステップは、その順番に沿っています。
- 1
① 肩甲骨の位置を知る
壁に背中をつけて立ち、肩の力を抜きます。肩が壁から大きく浮くなら、肩甲骨が前へ滑っているサインです。まずは今の状態を知ることから始めます。
- 2
② 硬い前側をゆるめる
胸の前側を、痛みの出ない範囲で20〜30秒ほど伸ばします。呼吸を止めないことがコツです。
- 3
③ 背中側を働かせる
肩甲骨を軽く寄せて下げる動きを、反動を使わずにゆっくり10回ほど。動かしている場所を意識します。
「使い方」が変われば、戻りにくくなる
ストレッチで一時的にゆるめても、日常の動作が同じなら元へ戻ります。大切なのは、肩甲骨を正しく動かせる状態をつくり、普段の動きの中で使えるようにすることです。
HELIXでは、初回の動作アセスメントで肩甲骨の動きも確認し、その人に必要な順番でメニューを組みます。原因の場所から変えていくのが近道です。
まとめ
巻き肩は、意識や気合ではなく、肩甲骨の位置と動きから見直すのが現実的です。まずは今の状態を知り、硬い場所をゆるめ、弱い場所を働かせる。この順番を守るだけでも、肩まわりの感覚は変わりやすくなります。
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この記事を書いた人

相馬 拓真
代表トレーナー / NSCA-CSCS・指導歴10年
大学まで陸上短距離の選手として競技を続け、引退後はストレングス&コンディショニング(S&C)コーチとして10年。学生アスリートから40代のデスクワーカーまで、動作を起点にした指導を行ってきました。「感覚ではなく、動作から変える」がHELIXの信条です。


